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相続税評価額と法人時価との差を利用した株価対策

一般的に流通している市場が存在する上場株式と異なり、オーナー様が保有するいわゆる非上場株式の時価については、その計算方法が法律で定められています。

この計算方法を利用して、ある種の対策を行うことにより、結果として算出される相続税額が時には何分の1にも引き下がることがあります。

本日のコラムでは、相続税評価額と法人時価の差によって株価が引き下がる仕組みについてご紹介させて頂きます。

 

ただし、前提としてこの方法は、株価引き下げ目的のみとみなされた場合には、税務署から指摘を受け、この取り扱いは認められず、多額のペナルティーが課されること可能性がございますので、株価引き下げのみを目的として安易に行うことはやめていただくことが賢明です。

 

以下で記載しているのは事業上大きな理由があるためそれを実現するためにこれから記載する方法で株式を移転した場合に、株価は計算上どのように推移するのかを記載しているのみであるため、事業上の理由もない中で安易な株価対策として実行しないよう、重ねてご案内いたします。

必ず否認されるため、あとで大きなしっぺ返しを食らうことになります。

 

 

それでは、具体的な内容を見ていきたいと思います。

例と致しまして、オーナー様がA社とB社の株式を保有しており、このうちA社株式をB社に売却します。なお、B社は休眠会社であり、資産負債はないものとします。

この場合、B社は手許資金がないため、金融機関等からの借入により、その譲渡時点での法人時価(純資産価額方式)により、A社株式を購入します。

なお、A社は大会社に該当するため、相続税評価額による株価は類似業種比準価額により計算されるものとします。

 

また、上記の取引の結果、B社は株式保有特定会社(資産に占める株式の割合が特に高い会社)に該当することとなるため、オーナー様は株式を純資産価額方式により評価致します。

上記の株式取得後のB社のB/Sを見てみると、B社はA社株式購入のため法人時価相当額の金額を銀行から借り入れてA社株式を取得しているため、借入金の評価額はA社株式の法人税評価額と同額となります。一方で、A社株式の評価額について、上述の通りA社は大法人に該当し類似業種比準価額により評価されるため、借入金より低い金額で評価されることになります。

結果として、B社は純資産価額が債務超過(借入金評価>A社株式評価)になることから、算定された株価は0円になります。

 

いかがでしたでしょうか。

特に税務に知見がある方に置かれましては色々なご意見があるかと思いますが、単純に非上場株式の評価の計算式に則ってグループ内で株式を移動させるだけで、株価が0円という結果に変わってしまうのです。

 

なお、冒頭で述べたようにこの株価引き下げのみを目的にこの取引が行われ、株価が0円になった途端に後継者に株式を移すことは税務署より評価額が不適切(6項否認)と見做され、認められない可能性が高いものと思われます。

上述のようなケースは別として、株式の評価額というのはグループ内再編をしただけでも意図しない形でも引き下がる可能性もあり、採用する計算の方法によっても千差万別の株価がつきます。

そのため、一言で株式を移転させるといっても、実行の際には事前に様々なパターンのシミュレーションを行い、税務リスクも少なく、事業面に鑑みても機能する、一番効果的な手法を選択する必要があるものと考えます。

 

このように税金の世界では顧問税理士の実力一つで納付税額が如何様にも変わってしまいます。

 

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